

コンクリートの起源はイスラエルにおいて今なお現存するイフタフの遺跡にあり、紀元前7000 年頃の建築物の床に石灰質のセメントを用いたコンクリートが使用されていたとされています。そうなりますと、コンクリートは既に9000年以上の寿命を有していることになります。
このコンクリートは今では、建物、橋、トンネル、ダム、空港、港湾など社会の基盤をなす施設を構築するのに欠かせない材料であり、現代社会はコンクリートなくしては成立し得ないといっても過言ではありません。一方、現場でフレッシュな状態で搬入され、施工過程において硬化し、所要の強度に達した後に長期的に供用されるという、かくも変化し続ける建設材料はコンクリートだけです。この意味で生コンクリート工場はまさに、社会基盤の「生みの親」といえるでしょう。
コンクリートを取り巻く社会は、構造物の長寿命化への更なる要望、気温の上昇と気象変動に伴う災害の激甚化・頻発化やカーボンニュートラル化等目まぐるしく変化しています。変わりゆく時代の中でも変わらぬ社会基盤を形成するための、生コンクリート分野の果たすべき役割は大きいのです。
生コンクリートを作る多くの工場では、産官学の第三者により構成された組織である「生コンクリート品質管理監査会議」により、立入り検査が行われて厳正な監査が実施されています。
静岡県生コンクリート工業組合の品質管理監査制度は、全国に先駆けて1979年から始まりました。静岡県生コンクリート工業組合に所属する生コンクリート工場は、全てこの品質管理監査に合格した工場です。
良好な品質のコンクリートをもって優れた社会基盤を創るために、今後も生コンクリートの厳正な監査を行っていきます。


静岡県生コンクリート品質管理監査会議

全国統一品質管理監査制度は平成7年12月に発足し、平成9年の第1回監査以降、全国生コンクリート工場の品質管理監査会議が
各都道府県の地区と連動して全国規模で生コンクリート工場の品質管理監査を実施しています。
この制度は、中立性、公正性、透明性を高めた監査によって生コンクリートの一層の品質向上を図り、かつ購入者の高い評価を受けることを目的として、生コンクリート業界から委託を受けて産・官・学によって構成された全国生コンクリート品質管理監査会議が中核となって実施しています。
平成11年度には合格証を交付された工場について、地区会議からの申請を受けて全国会議が審議し、適合工場に㊜マークを
交付する仕組みが導入されます。現在、監査合格工場は、土木学会の「コンクリート標準示方書」、建築学会の「建築工事標準仕様書解説編」、
国土交通省の「土木工事共通仕様書」等で、それぞれ「レディーミクストコンクリートの工場選定基準」として評価されています。
静岡県の場合は、平成17年4月より「土木工事共通仕様書」に監査合格工場から選定する旨が記載されました。
これを機会に、社会的基礎資材を提供する側の責任をより高く認識し、ユーザーの皆様に安心して使用していただける良質な生コンの安定供給に努めてまいります。

コンクリート構造物の性能確保には
生コンの品質確保が不可欠です。
㊜マーク承認生コン工場を選べば安心です。
全国統一品質管理監査制度と
㊜マーク使用承認工場(628KB)
| 議長 | |
|---|---|
| 今本 啓一 | 東京理科大学 教授 |
| 副議長 | |
| 西田 孝弘 | 静岡理工科大学 教授 |
| 特別委員 | |
| 水元 覚彦 | 国土交通省 中部地方整備局 静岡国道事務所 工事品質管理官 |
| 住田 晃昭 | 国土交通省 中部地方整備局 清水港湾事務所 保全課長 |
| 土屋 守廣 | 静岡県 交通基盤部 建設経済局 工事検査課 課長 |
| 橋本 久明 | 一般社団法人 静岡県建設業協会 理事 |
| 小畠 明 | 太平洋セメント(株) セメント事業本部 営業部 技術グループ グループリーダー |
| 生産者側委員 | |
| 稲本 浩士 | 静岡県生コンクリート工業組合 品質管理監査幹事会幹事長 |
| 澤瀬 博 | 静岡県生コンクリート工業組合 幹事長代行 |
| 工藤 宏治 | 静岡県生コンクリート工業組合 副幹事長 |
| 岩崎 茂雄 | 静岡県生コンクリート工業組合技術委員会委員長 |
| 外山 泰彦 | 静岡県コンクリート技術センター所長 |
| オブザーバー委員 | |
| 志村 栄一 | 静岡県生コンクリート工業組合理事長 |
全国会議が生コンクリート業界からの要請に基づいて、実施しているものであり、全国会議と地区会議とから構成されている。監査は、2名の監査員が工場に立入り、統一した基準に基づいて、「経営資源の確保状況」、「配合設計管理」、「製造工程管理」、「材料及び製品の品質適合性」などについて監査するものである。監査制度全体の仕組みを図-1に示す。
